年頭所感

新宮商工会議所

会頭 関 康之

 新年明けましておめでとうございます。
 令和6年の新春をお迎えし、皆様方がなお一層ご活躍される年でありますことを願いますとともに、旧年中の格別なるご指導・ご協力に心から御礼を申し上げます。
 さて、昨年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行して以来、市内ではインバウンドを含めた観光客の姿が日に日に増加しております。ホテル等への宿泊者数もコロナ前の状況に戻っているところもあるようです。また年末は飲食店でも多くの忘年会や同窓会などの宴会が行われ、お店に再び活気が戻りつつあるとのことでした。
 そしてコロナ禍自粛されていた多くの行事やイベントが再び開催され、そこには多くの人々が集まり、会場は以前の賑わいを取り戻しておりました。
 しかしながら、客足が戻りつつある中、ほとんどの業種に影響を及ぼしたのがエネルギー・原材料価格の高騰でした。その高騰が長期化することで、販売価格への転嫁がスムーズにできず、営業利益を大幅に減らしている事業者が多く見られました。
 加えてもう一つ大きな課題となっているのが人手不足です。営業時間の短縮や休業日の増加などを余儀なくされる事業者もありました。今後もこの状況は続くものと思われ、経営基盤が脆弱な小規模事業者にとっては、先の原材料費の高騰と共に大きな経営課題となっています。
  このように非常に厳しい課題が山積している中、当商工会議所では事業者の持続的な発展に貢献するために、それぞれの経営状況、経営環境に合った事業計画の策定や補助金の活用などの伴走型支援を行っております。また昨年のインボイス制度の導入に続き、本年4月から一部業種における時間外労働の上限規制が適用されます。経営に大きな影響を及ぼすことが予想され、対象となる事業者への制度の周知に努め、きめの細かい対応を行う所存です。他にも金融支援や労務相談、販路拡大など、経営相談一つ一つに丁寧な支援を行い、各事業者の課題解決に取り組んで参ります。
 そして現在工事が続いている「紀伊半島一周高速道路」の完成は、今後の観光産業のみならず、当地域経済の大きな起爆剤となることが期待されています。本年秋には当地域の悲願であります待望の河口大橋を含む「新宮紀宝道路」が開通する予定になっております。加えて令和7年春には「すさみ串本道路」の開通も予定されており、これらの早期完成と未着工区間の早期着工について、関係機関に引き続き要望して参ります。
 また交流人口の増加を図るための中心市街地の活性化や観光産業、地場産業である木材業の振興についても、各団体との連携を密にし、その推進に努めて参ります。
 商工会議所は地域唯一の総合経済団体です。経営環境がますます複雑化する中、「会員のための」、又、「地域のためになる」商工会議所を基軸として積極的な事業展開を行って参ります。今後とも、今まで以上に商工会議所活動へのご支援とご協力をお願い申し上げますとともに、皆様方のご繁栄をご祈念申し上げ、年頭の挨拶とさせて頂きます。 


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